ナガエツルノゲイトウとは?
ナガエツルノゲイトウの特徴
ナガエツルノゲイトウ(学名:Alternanthera philoxeroides)は、ヒユ科の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物です。水辺や湿地を好み、地面を這うように広がり、茎から根を出してどんどん繁殖していきます。その成長スピードは非常に早く、放っておくと短期間で一面を覆ってしまうほどです。葉は細長く対生し、小さな白い花を咲かせます。
なぜ問題視されているのか?
一見するとただの雑草のようですが、この植物は日本において特定外来生物に指定されており、在来種の生態系を著しく脅かす存在として警戒されています。また、爆発的な繁殖力により、農業・漁業・観光などにも多大な影響を与えており、深刻な社会問題の一つとなっています。
ナガエツルノゲイトウが増える原因
【ナガエツルノゲイトウの増加原因】自然環境との相性
ナガエツルノゲイトウは日本の湿潤な気候と非常に相性がよく、特に河川や湖沼、ため池などの湿地環境で強く根を張ります。また、水中でも生育可能であるため、水の流れに乗って広範囲に拡散する性質があります。
【ナガエツルノゲイトウの増加原因】人為的な拡散要因
最も深刻なのは、人間の活動による拡散です。たとえば、家庭の園芸用に持ち込まれたものが捨てられて野生化したケースや、水草として知らずに輸入されたものが外来種として定着してしまった例もあります。さらに、水路の整備工事や河川の浚渫作業によって、切れた茎が下流に流れて拡大する事例も多く報告されています。
ナガエツルノゲイトウの影響とは
【ナガエツルノゲイトウの増加影響】生態系への悪影響
この植物が一度繁殖すると、在来の水生植物が日照不足や栄養競合で駆逐されてしまいます。また、魚類や昆虫などの水生生物の住処も失われ、生物多様性の低下を引き起こします。とくに、トンボ類の産卵場所が減少したり、魚の産卵床が覆われたりすることで、次世代の個体数にも影響が及びます。
【ナガエツルノゲイトウの増加影響】農業・漁業・観光への被害
農業用水路を詰まらせたり、現場から報告されています。さらに、観光資源として重要な湖や河川の景観が損なわれることで、地域の経済活動にも悪影響を及ぼします。単なる生態系の問題ではなく、社会的損失も無視できないというのが現状です。
ナガエツルノゲイトウの効果的な駆除方法と対策
【ナガエツルノゲイトウの駆除方法】刈り取りはダメ?
ナガエツルノゲイトウの駆除では、物理的な方法が第一段階となります。たとえば、手作業による刈り取りや根の掘り起こしが一般的ですが、注意すべきは「一部でも残すと再生する」点です。特に茎の断片からでも再生可能なため、完全除去が難しいとされています。
🚫特定外来生物#ナガエツルノゲイトウ⚠️
— 兵庫県広報 (@hyogokoho) May 19, 2025
凄まじい繁殖力で農業・生態系へ被害が…
茎や根の小さな断片からも再生するため、
うかつに刈り取ると拡散する可能性があります。
疑わしい植物を見つけたら、写真を撮って
目撃情報通報フォームから通報を!📷https://t.co/bdkuPZBCX0 pic.twitter.com/2ObfcmvOu4
【ナガエツルノゲイトウの駆除方法】化学的駆除は?
次に、農薬や除草剤による化学的手段があります。グリホサート系などの除草剤が使用されることもありますが、水質や周囲の生態系への影響を考慮しなければなりません。したがって、使用には専門家の判断が不可欠です。
【ナガエツルノゲイトウの駆除方法】行政・地域との連携がカギ
現在、多くの地域で行政主導の駆除活動が進められており、住民との連携も強く求められています。地域住民による監視体制や報告システムの構築、学校や団体による啓発活動が広がりつつあります。
今後の展望と私たちにできること
「豊かな農地を守るためにナガエツルノゲイトウ(特定外来生物)の侵入・定着を防ぎましょう」を掲載しました。https://t.co/N83cMz9o9C pic.twitter.com/VoaAenWKDj
— 農研機構 (@NARO_JP) April 15, 2021
予防策と啓発の重要性
駆除と並行して、新たな侵入を防ぐ予防策と啓発活動が重要です。たとえば、「外来種を安易に捨てない」、「川や池に植物を植えない」など、個人の行動一つで拡散リスクを大きく減らすことができます。
個人ができる取り組みとは
・身近な水辺の状況を定期的に確認する
・外来種の見分け方を学ぶ
・行政の駆除イベントに参加する
こうした取り組みは、一人ひとりが地域の生態系を守る力となります。
✅ まとめ
ナガエツルノゲイトウは、ただの雑草ではなく、日本の自然と社会に深刻な影響を及ぼす外来種です。その原因は環境的な要因だけでなく、人為的な拡散にもあります。効果的な駆除には、物理・化学・地域連携の三位一体が不可欠です。さらに、拡散防止のための啓発と個人の意識改革も求められています。
「知ること」から始まる外来種対策。
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