自然豊かな生活にあこがれて田舎へ引っ越し。新しい住まいは古民家。その家には浄化槽が付いていました。今日は浄化槽のお家に住んでみての体験レビューです。
浄化槽とは
まず、浄化槽とは何かについて簡潔に説明いたします。
浄化槽とは家庭から出た生活雑排水を微生物の力で浄化してくれるものです。
大まかな仕組み
現在主流となっている様々な生活排水を浄化できる『合併処理浄化槽』では、
①固形物をろ材で濾過、嫌気性微生物によって有機物の分解
②空気を好む好気性微生物によって有機物をさらに浄化
③沈殿した固形物を除いた水をさらに消毒して放流
ざっとこんな感じです。
詳しくは『環境省浄化槽サイト(https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/)』に載っています。
浄化槽を使ってみた感想
今まで普通の市街地に住んでいた私は下水道を使用して生活していました。その頃と比べて浄化槽の使用感はどう違うのか?比較をしてみます。
匂い
全く気にならないというのが率直な感想です。
トイレや排水溝から嫌なにおいがする時があるわけでもなく、浄化槽のマンホールなどからも嫌なにおいはしません。
音
トイレの排水や洗濯機の排水の時に特別大きな音がしたりすることはありませんでした。
ブロワーから小さな音(ブゥーンという音)はしますが軒先のはじっこにあるので全く気にならないです。近づいてみて、『あ、動いてるなー』と分かるくらいです。
浄化槽の気になる維持費用
私たちが越してきた時には既に浄化槽は設置されていたので、かかる費用としてはいわゆる
維持費や検査費用になります。
点検費用など月々かかる料金は3人合せて4082円、法定検査というものが年一回あり、それが5000円。
ブロワー(機械で浄化槽内の微生物に酸素を届けるもの)に電気代がかかるわけですが、これが古いものと省エネタイプで電気代がかなり違うようです。そして電気代も契約会社によって変わります。
我が家のブロワーはLA‐80Eという型式のもの。消費電力は72Wなので、
少し多く見積もって年間20000円位みたいです。
なので年間費用が
点検費用 | 法定検査 | 電気代 | 合計 | |
年間費用 | 48984(円) | 5000(円) | 20000(円) | 73984(円) |
ざっとで7万5千円というところでしょうか。
市街地に住んでいた時は水道代が年間84000円ほどでした。
我が家の水道は井戸水なのでかかる料金はくみ上げるポンプの電気代がかかると思いますが、
費用に関しても、使用感に関しても
水道、下水道の時と大きな大差を感じていません。
むしろ安く済むかもしれないですが、それはもっと長い間住んでみないと何とも言えなさそうです。
また報告できたらと思います^^
浄化槽で気を付ける事
使用感や費用でも大差はない浄化槽ですが、使用していくうえで気をつけなければいけない事があります。
流すものに注意する
環境省浄化槽サイトでは、浄化槽の使い方について記述があります。
『便器の掃除には、微生物に影響するような薬剤は使用しない。』
『トイレにトイレットペーパー以外の異物を流さない。』
『台所から、野菜くずや天ぷら油などは流さない。』などがあります。
浄化槽では汚れの分解・浄化を担っているのは『微生物』なので、気をつけなければいけない薬剤などもあるようです。
しかし、もともと浄化槽のあるこの家に住む前から
上記のことは気を付けていました。薬剤に関しても、以前から使用していた洗剤には『浄化槽には影響がありません。』の表記が。
なので、私個人の意見としては
そんなに気を使っていなくても良さそうだな、と感じました。
ただ、せっかく環境に良いとされている浄化槽を使用しているのだから、微生物に優しい洗剤など使っていきたいなと思いました。
マンホールやブロワーの存在に気を付ける
これは前にこの家に住んでいた方から言われたことなのですが
『ブロワーの電源は切らない事』『マンホールの上に駐車しないこと』を伝えられました。
ブロワーは微生物の維持には欠かせないものなので、変にいじったりして電源を切ってしまったり、
空気を送り込む穴を塞がないようにしなければいけない様です。
また、月に一回、業者の方が点検や掃除をしてくれるのですがマンホールの上に車があると邪魔なので何か置いたりしてマンホールの上を塞ぐことも良くないとのことでした。
その点は家族で共有しておけば、大きな問題にはならないと感じましたが、娘が小さいうちは特に弄らないように気をつけなければいけなさそうです。
これが我が家のマンホール。庭の端にあるので今はあまり気にならないですが、庭いじりをし始める春先はどうなるのか…?
まとめ
浄化槽を使用してみて分かったことをメリット・デメリットで考えると
メリット
- 環境によい
- 下水道の時と変わらない使用感
- 水道代として考えると安く済む(我が家は井戸水であるため)
デメリット
- 使う薬剤に制限がある
- マンホールやブロワーに気を付ける必要がある
という感じでしょうか。
とはいえまだまだ住み始めて間もないので
四季が変わって使用感に変化が出たり、費用や手入れなども変わるかもしれません。
今後も気になることがあれば発信していきたいと思います。
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